Last Updated on 2023年9月24日 by maco
母は認知症状が出てきた気がする80歳です。
ずっとガスコンロで料理をしてきましたが、今回火災の危険も感じたためIHコンロを導入しました。
実際に気が付いた注意点、導入したメリットとデメリットを書いてみようと思います。
にほんブログ村
なぜIH卓上コンロを導入したか
認知症状が進んだため
2年ほど前まで、母は父と暮らしていましたが、父の死去に伴い、「誰かのために料理を作る」気力を失ってしまいました。
そしてコロナ禍です。
「誰にも会わないほうがいい」「じっと家にいるほうがいい」
こんな理由で在宅が増え、人と会わなくなり、だんだん物忘れがひどくなり、判断力が怪しくなってきました。
火事の危険性が出てきたため
ずっと母は3口のガスコンロで料理をしていましたが、とろ火がつきっぱなしのところを目撃してしまい、火事の不安が増しました。
曾祖母が存命だったころ、リンゴの砂糖煮を行平鍋で作りながら、火を消すのを忘れて美容室に行ってしまったので、鍋ごと丸焦げになったのを私が発見して急いで火を消した経験があります。
私自身、「うっかり消し忘れ」の危険を実感したことがあるため、気が気ではありませんでした。
高気密住宅なのに換気扇を回し忘れるため
高気密住宅の我が家は、ガスを使うときには必ず換気扇を回して空気を入れ替える必要があります。
母も昔はわかっていたのですが、換気扇のスイッチが高い位置にあるため、手を伸ばすことが億劫になってしまい、だんだんスイッチすら触らなくなったようです。
料理に対する情熱も失いつつあったため
だんだん、料理をするのも面倒になってきたようです。
そのため、別にコンロ3口を使う必要もなくなりました。
二世帯住宅の階上に住む私が料理をときどき運ぶことも理由のひとつです。
[chat face=”profile.png” name=”” align=”left” border=”red” bg=”none” style=””]卵焼き程度ができればいいみたいです。[/chat]
IHコンロを導入してわかった、認知症の高齢者にとってのデメリット
やってみる前はそんなに感じなかったデメリットですが、IHコンロを使って比較的早くに「どうしよう」な事態が起こりました。
IHコンロとほかの電化製品を一緒に使うとブレーカーが落ちやすい
IHコンロは電力量を使うため、ほかの電化製品と一緒に使うとブレーカーが落ちることがあります。
母は一人暮らしなのに電力は40Aの契約ですが(ちなみに我が家は4人家族で30A)、ブレーカーが落ちてしまいました。
[cat_fusen01 title=”使っていた電化製品”]✔ IHコンロ(一口)
✔ 洗濯機
✔ 冷蔵庫
✔ 電子レンジ
✔ エアコン
[/cat_fusen01]
この5つを同時に使ってしまったようで、ブレーカーが落ちたのです。そのとき、私は仕事に出ていて不在でした。
高齢者は落ちたブレーカーを自分で直すことができない
母の家のブレーカーボックスは天井近くにあります。
ペンチでネジネジと外した昔のヒューズと違って(若い子は知らないだろう)、今は降りたスイッチを上にあげるだけの簡単なもの。
しかし電気系統を母は直せませんし、第一高いところにあるブレーカーの存在すら知りません。
脚立に乗ることもできないし…。
[jin-iconbox07]家の中で使っていたすべての家電が一気にボン!と消えたので、母も相当焦ったようです。
私は仕事で近くにいない。
そのため、ひとりだった母は一生懸命考えて(グッジョブ!)、携帯に電話番号が登録してあるケアマネージャーに自分で電話をかけました。
エアコンが使えなくなると、夏だし生命の危険が伴います。
ケアマネージャーは急いで駆けつけてくれ、ブレーカーを上げてくれました。
本当に助かりました…。[/jin-iconbox07]
高齢者はブレーカーの意味がわからないので何回もやる!
母はブレーカーがなぜ落ちたのか、その理由がはっきりわからないため、ケアマネージャーが直してくれたというのに、また同じことを繰り返しました。それも15分後。
ケアマネージャーは1回目に来てくれたときに、「この機械を全部一緒に使ったからこういうことになったんだよ」と説明し、メモしてくれました。
でも母は理解できていないので、またブレーカーを落としました。
で、またケアマネージャーに電話し、再度来てもらったのです(本当に申し訳ないことです…)
[chat face=”profile.png” name=”” align=”left” border=”red” bg=”none” style=””]
そうなんです。覚えないから、何度も繰り返すのです。
これが高齢世帯の一番怖いところだな、と感じました。
[/chat]
電気代がかかる
使えば使うほど、電気代もかかることは想定されます。
しかし、火事になって家がなくなるよりかはきっといいですよね…。
IH卓上コンロを導入するメリット
いまのところ、IH卓上コンロを認知症状のある母の家に導入するデメリットよりメリットのほうが確実に多かったです。
どんなことかと言いますと…
自分で料理をする楽しみが残せる
私は二世帯住宅の上にいますが、いつでも母の世話をできるわけではありません。
そのため、危険なく使える調理家電はあるに越したことはありません。
実際、だんだん使い方に慣れた母は、朝ごはんや野菜炒めは自分で作っています。
私は実際は遠くから調理をしている様子しか見ていないのでわかりませんが、今まで料理をしていた高齢者なら、使い方に慣れたらきっとそのまま使えます。
高齢者にとって掃除が楽
ガスコンロの吹きこぼれだと、どうしても掃除がしにくいものですが…。
IHコンロの場合、トップ面はお掃除シートを水で濡らして拭くだけと手軽です。
利用時に若干高温にはなりますが、発火するような温度ではないためガスのような心配はありません。
ちなみに、あとからご紹介する母の家に購入したIHホットプレートについては、Panasonicから以下のような説明があります。
【IH(デイリー)ホットプレート・卓上IH】本体下面の温度について(排気は熱いか)
本体の温度は、高火力での使用や長時間の使用によって上がります。
また、内部に発生した熱を排気ファンで逃がすため、高温の排気熱が出ます。
高温といっても、発火するような温度ではございません。木製のテーブルの上で使えますが、熱に弱いものは変色・変形したり、焦げることがあります。
そのため、ビニールのテーブルクロスの上では使わないでください。(吸気口をふさぐ事もあるため)置台の材質が金属やガラスの場合は、同じ温度でも木より熱く感じられます。
これらの上では、使わないでください。(引用:Panasonic IH調理器 よくあるご質問より)
IH卓上コンロを導入するための準備とは
では、IH卓上コンロを認知症状のある独居高齢者の家に入れるにはどうすればいいのでしょう。
こちらも私の体験談です。
IH対応のフライパンや鍋に変える(なければ購入)
今まで使い慣れたフライパンや鍋がIH調理器に対応するとは限りません。
今までの調理器具がIH対応かどうかは、実際にIH卓上コンロに乗せてみて通電するかで確認できます。
[chat face=”profile.png” name=”” align=”left” border=”red” bg=”none” style=””]ちなみに母の家の鍋やフライパンは見事なまでにすべてIH非対応でした!
これでは料理はできないので、すべて買いなおしが必要です。
で、今までの鍋やフライパンはしまい込んだほうがいいかもしれません。[/chat]
IH卓上コンロがどんなものかを調理しながら理解してもらう
コンロにIH対応の鍋を載せて、実際にスイッチの入れ方、コンセントのつけ方(Panasonicの卓上コンロの場合、本体と電源コードはすぐに取り外せるようになっているのです)を教えていきます。
認知症状のある高齢者にとって、火がでない調理器具って、理解できないものではないかと思うんです。
[chat face=”profile.png” name=”” align=”left” border=”red” bg=”none” style=””]母が卓上コンロを使いこなせるようになったのは、実際に料理ができるツールだと実感できてからです。[/chat]
ブレーカーが落ちたときに助けてくれる人を携帯に登録する
これはブレーカーに限りませんが、高齢者が困ったことがあったときに、自分で連絡できる先を決めておく、電話できるようにしておくことはとても大事です。
特に、暑い日にブレーカーが落ちてエアコンが使えないと、生死にかかわります。
そして普段から、電話ができるといいですよね。
そのためには、ケアマネージャーやヘルパーさん、近くに住む友人や親せきなどに、日ごろから連絡ができるように練習しておく必要もありそうです。
[chat face=”profile.png” name=”” align=”left” border=”red” bg=”none” style=””]実際、信頼できない人を家に入れることで別の問題も起きる場合もあると思うので、事前によく考えておいたほうがよいかもしれません。[/chat]
おすすめのIH卓上コンロ、IH対応の調理器具はこちら
今回思ったことは、キッチンに欠かせない電子レンジと同様に、できるだけ早いうちからIH調理器具を導入して、早く覚えたほうがいいということです。
認知度が進めば進むほど、使い方を覚えるのも時間がかかってしまいます。
高齢家族と離れて住んでいる場合は特に、早めに使いこなせるようにしておいたほうがいいのではないでしょうか。
ちなみに、ブレーカーも一度落とせば(荒療治ですが)、こんな使い方は危険だとわかってくれるとも思いますので、理解能力があるうちになんでもやったほうがいいです。
パナソニック IHコンロ IHクッキングヒーター 日本製 卓上 7段階火力調整
母の家で導入したのは、こちらのPanasonicの卓上コンロです。
母は今のところ、きちんと使いこなせていますよ!
アイリスオーヤマ IHコンロ 1000W 卓上
アイリスオーヤマだと、Panasonicよりもっと格安です。
アイリスオーヤマ 2口 IHクッキングヒーター
同じくアイリスオーヤマの卓上コンロでは、2口で足がついていて、この下に鍋やお皿が置けるものもあります。
[chat face=”profile.png” name=”” align=”left” border=”red” bg=”none” style=””]ガスコンロの上に置くのではなく、モノを置くための足つきのようですよ。[/chat]
おすすめのIHコンロ用のフライパン、鍋はこちら
アイリスオーヤマの片手鍋18cm
もちろん、料理がたくさんできるに越したことはないのですが、
✔ こびりつきにくい
✔ 軽い
✔ お手入れも楽
このあたりで、これがあればいいかなという気がします。レビューも高いです。
CAROTE フライパン20cm
こちらも評判のよいフライパン。くっつかなくて洗いやすいという卵焼き鍋です。
サイズもちょうどいいし、価格もお手頃。そして軽量です。
卵焼きと少量の野菜炒めができればいいのではないかな?と思います。
まとめ
IH調理器はとても便利なものですが、やはり電化製品。
高齢者にとっては使い方を覚えるにも時間がかかります。
しかし、認知度がどこでどう進むかは計り知れないので、高齢者の料理に不安を感じたら早めに導入を検討してはいかがでしょうか。
コメント