Last Updated on 2023年9月24日 by maco
要介護2、アルツハイマー型認知症の母が、とうとうやってほしくなかったことをやらかしました。
トイレに入っているときに、自分が履いている大人用おむつの中身をむしり取り、それを便器に入れてそのまま流したのです。
気が付いたときには、あたりは一面の水びたしになっていました。
高分子吸収材のおかげでトイレどころか洗面所まで水びたし
17時半、母にまず食事を出し、子どもの食事を作りに2階へ。
でも買い忘れた卵を買いにいこうと、1階にいる母の様子だけ確認してからと思ってドアをあけたら、母がトイレから呆然とした顔で私を見ています。
お母さん、どうしたの?
何かあったの?
その次の瞬間、全てを察しました。
母は、あんなに「やらないで」と言っていたことをやってしまったのです。
前に一度、トイレを流す直前に気づいたことがあったのですが…。
おむつが汚れると、その汚れを取ろうとして、おむつの汚れ部分をむしり取ってトイレに流そうとしてしまうのです。
たぶん今回もそうでした。
おそらくトイレに入って、おむつの中身をむしり取り、便器に落としたんです。
そしてそのままトイレを流そうとしたところ、高分子吸収剤のジェルが見事に膨らんで、流した水が全部外に漏れだした!!
よく見ると、とんでもない範囲に水があふれていました。
もちろん高分子吸収剤まみれの水が。
ちょちょちょ!!!!!
どういうことよ、これ絶対やってほしくなかったことだよ!!
大丈夫、私がなんとかきれいにしているから。
できるわけないよ…こんな広範囲の水びたし…。
しかもお母さん、しゃがめないじゃない…。
頭の中は、考えたくないことがぐるぐるとめぐっています。
この水は。一体このあふれている水はどんな水なんだ。
おしっこや大の混じった水じゃないでしょうね…
ええ…考えたくない、考えたくない、考えたくない今は…!
とにかく早く拭かなくちゃトイレが使えない!必死に拭く私、にじむ悔し涙
私はタオルなんてそんなにいらないかと思っていたけど、こんなにびしゃびしゃになるとバスタオルからフェイスタオルから総動員になります。
泣きそうになりながら、ジェルや水を拭いていきました。
なるべく怒らないようにやってきたけれど、これはやめてって何度も言っていたこと。
しかもトイレに貼り紙までしてあったのに、母はやらかした。
水はトイレからあふれ、洗面所の全体にも広がっていました。
しかも量がかなり多かったようで、床という床、奥まったところまで全部びしょぬれでした。
そこに置いてあるものをすべて取って、水を必死に拭き、洗面台の排水口にネットをかけて、洗面所の排水管からジェルが流れないように対策する。
タオルを洗って、拭いて、洗って、拭いて…。
なんで私は這いつくばってこんなことをしているのよ…。
母以外の家族の食事、まだ全然作れてないんだよ…?
お願いだから、全部自分でやろうとしないで!
トイレに流さないでってあれほど…!!
でもトイレが勝手に流れちゃったんだもの!
トイレは自動的に流れない!お母さんが流したの!
こないだ自動的に流れない設定に変えたから間違いない!
それは変ね…おかしいわよね。
今回ばかりは私のイライラも最高潮に…!!!
私は家族の夕食の買い物に行くところだったのに、この掃除のために1時間ほど何もできなくなってしまいました。
よりにもよって明日から新学期という慌ただしい日。
食後もたぶん、子どもの準備に付き合わなくてはならないのに。
忙しい日に限って大きなことをやらかす。
忙しい日に限っていらんことをする。
でもきれいに拭いたから。ほら、拭いたから。
綺麗になったでしょう?
いやいや、ここを全部拭いたのは私です!!!
お母さんが私の仕事を増やしたんです!!!
しかも木の家具は、下が腐るかもしれないよ???
「怒らないで」と言われたけれど、私は怒ってしまいました。
夜いきなり洗面所でシャンプーを始める…「あなたに喜んでもらおうと」
今日はもうこれ以上いらんことはしないで!!
で、お母さんがやりがちなのは、怒られたからと緊張して変なところでトイレに行って、また大を漏らすとかだから。
お願いだから落ち着いて、トイレはこっち!トイレはこっち!
漏らさないようにちゃんとトイレに行って!トイレはこっち!!
そしてそのままゆっくりしていてください!!!
そう言いおいてスーパーに走り、帰宅して家族の食事を作る私。
なんとか食事を出し終わった後に、また1階に降りると、今度は母が髪の毛を洗面所で洗っていました。
しかもシャンプーじゃない、よくわからない洗剤を使って…。
そして全然洗えていない…。
お母さん、何してるの!!?
何でこんなところで髪の毛洗ってるの?
お風呂に入って洗ったほうがよかったじゃない!!
すると母はこう言うのです。
髪の毛を洗って綺麗にすれば、あなたも喜ぶと思って。
私はあなたを喜ばせようと思ってやったの。
私が綺麗になれば、あなたもうれしいでしょう。
置いてあるあなたの洗剤を使ったよ?
私のために洗髪するって、ど、どういう関係性よ!?
しかも私は洗剤なんて洗面所に置いてない。なんかよくわからないものを使ってるけど、確かめる余裕もありませんでした。
アルツハイマーの考え方については本を読んでわかっていたつもりだけど、実際にわけのわからないことをやられてしまうと本当にどっと疲れます。
わかってます。何か私を喜ばせることがしたかったということは。
ただ…やっていることが、私にとってはさらなる大仕事にしかなっていません…。
こんなところで髪の毛洗ったら、ちゃんと全部頭が洗えなくて、後頭部に洗剤が残っちゃうじゃない…。
じゃあちょっと待って!
私は8月31日にこんなことをしたくはないのに…!
でもここまで髪の毛が濡れてるなら仕方ない、とシャンプーを持ってきてそのまま洗面所で洗髪を手伝ったら…!
ああお湯が!!水が!!
全体にかかる!!!
いやいや、全部シャンプーを落としたいから…。
そしてまた床を見ると水浸し。
今日は水難の日でしょうか???(苦笑)
パジャマを着られたと報告に来た母… ところが…
母はこういうのです。
もう迷惑はかけないから。私はできることを頑張る!
あなたの迷惑にならないように、できることをやるから!!
しかし…その「できること」が問題なわけで、「私のために、できることを考えてやる」から失敗してしまうし、どうにもならないことになる。
お母さん、もうお願いだから今日は頑張らないで。
これ以上お母さんが頑張ったら、私もう倒れてしまう。
忙しい日に限って、大きな仕事ばかり私に落としてくる。
もう本当に無理。私は無理。
これ以上になったら、私はお母さんの面倒は見られない。
そう言ったのですが…
さらに母は、私が洗濯機に放り込んで洗ったバスタオルやフェイスタオル、他の洗濯もののうち、小さなものを乾燥機に放り込み、バスタオルとフェイスタオルは濡れたままいろいろな部屋に運んでいました。
目を離すと「自分でやろう」として、いろんなところへ脱水しただけの洗濯物を運んでいく。
なんでタオルがないんだろうと探して探して、濡れたままのタオルを寝室で見つけたときのショックといったら。
母はその後、しばらくして私の部屋にやってきて
私にもできることはあるの!
ほら!ちゃんと着替えられた!!
何のことだろうと思って母の姿を見てびっくり!!
母はなんと、長袖のパジャマの上着をズボンにして着ていました…!
ええ、そんなことある? 歩きにくいでしょうよ…
大丈夫、私はこのままで寝るわ!
…。
パジャマをちゃんと履かせて、寝かせました。
お願いだからちゃんとトイレに行って寝て。
とりあえず今日はもう寝て。睡眠導入剤も飲んだんだから…。
『バタフライ効果』ってご存じでしょうか?
北京で1匹の蝶が羽ばたくと、アメリカで竜巻が起こる…そんな、小さな差が大きな差になるという現象です。
母の場合もそうで、ちょっとした何かが、ひとつのボタンの掛け違いを生み。
ボタンの掛け違いが、次の勘違いを生み。
どんどんいろんなことがドミノのように起こっていく…。
そう思っているからこそ、明日の朝まで何もないといいけど、というのが私の不安です。
「娘のため」と思ってやろうとするすべてが裏目に出て、私が必要以上に仕事をしなくてはならなくなる。
これが認知症介護の大変なところだと感じました。
私は50歳だからいいけど、老老介護している方なんて本当に大変すぎますよ、これは。
ああ、本当に不安。先行きが本当に不安です。
そして今日は薄手のタオルを買います…いざというときに対応できるように…。
近くのスーパーも覗いたけど、ネットが一番安かったから。
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